自己紹介

上顎洞がん治療中の方々の一日も早いご快復を心からお祈りします。 私は2001年(当時47歳)左上顎がんのため、抗がん剤治療と放射線治療に加えて、手術で左上顎骨と左首のリンパ節と周辺の筋肉を取りました。 上あごの左側3分の1ほどと左上の歯がありませんので、上あごをおおう顎義歯を使っています。 左の眼球の下の骨も取りましたので、代わりに眼球の下にチタンメッシュが入っています。

2025/12/12

顎義歯を作り直します

2025年12月12日
2023年4月15日と、2024年12月14日の記事に書きましたように、私は手術で左上顎を切り取り、口腔と上顎洞が繋がっているので、上顎全体をおおう顎義歯を使っています。

この顎義歯が口腔と上顎洞を区切っているのですが、鼻腔へつながる空洞に隣接する歯が抜けるたびに義歯に人工歯を3本追加(増歯)してきたので全体が大きく重くなってきて(2009年当時のものは26g、2025年現在使っているものは31gで2割増)、自分では慣れているのですが、3年前から診てもらっている歯科の先生には、この義歯は重いと言われます。バネを支える歯への負担が大きくなっていることは確かです。

その先生には、初回の診察のときに、このような義歯は「顎義歯」といって普通の歯科医院では作ることができない、この義歯は重いので作り直すのなら、大学病院から来ている当院の先生に診てもらいましょう、と言われていたのですが、大学病院までは遠くてなかなか決心がつかずにいました。

最近、この顎義歯のバネ(金属製の針金で他の歯に絡めて義歯全体を支えるもの)がかかる奥歯の虫歯を治療するにあたり、歯に掛からないバネがほおの内側を傷つけないように一時的に切りました。そのため義歯がぐらついて、食べるときに大変困りました。ポリグリップを使って安定させたらどうかと歯科医の先生に言われたのですが、それでも噛みにくかったです。ポリグリップを使っても、空洞のある側は土台となる上顎骨がないので力を入れて噛めませんし、反対側は虫歯治療途中で仮の詰め物がしてあって、こちら側も硬いものは噛めませんし、本当に困り果てました。1ヶ月前に虫歯の治療が終わって、この虫歯に掛かっていた義歯のバネを付け直してもらいましたので、ようやく元のように食べられるようになりました。

今は、重いと言われながらも使い慣れた義歯を使って、当面は不自由はないだろうと思います。しかし、いずれ作り直すときには一般の歯科医院で対応できないのなら、今のうちに専門の先生に診てもらおうと思い立ちました。3年前から診てもらっている歯科の先生からは、たとえ見よう見まねで一般の歯科医院で顎義歯を作っても良いものはできないし、私のためには専門の先生に診てもらうのが良いと言われ、最終的に決心がつきました。この先生は患者に親身で率直に話されるので、初めて診ていただいたときから信頼しています。

そこで、上顎洞への穴を塞ぐ塊(栓塞部)
を中空型(空洞)にして全体を軽く出来ないか、専門家に診てもらうため、歯科の先生の勧めで、顎顔面補綴が専門で顎義歯を扱っている先生が2名いる隣県の大学病院へ行くことにしました。私が通っている歯科医院には週に2日、その大学病院から歯科医が診療に来ているので、その医師に診察してもらって紹介状を書いてもらい、すぐに大学病院初診の予約を取りました。歯科では近隣で一番大きな大学病院なので、3〜4週先まで予約が取れないのかと心配していましたが、幸いにも電話した日から2診療日先の予約を取ることが出来ました。ただし、近隣とはいえ車で片道1時間半、高速代が往復で三千円余りかかります。

紹介状を書いてもらうにあたっては、25年前の耳鼻科での手術の内容をいろいろ尋ねられました。手術前の患者への説明書や、放射線治療の回数などは、患者自身が大切に保存しておいて、後日尋ねられたら即答できるようにしなければいけないと思いました。私はiPhoneのメモアプリに書いて、いつでも参照できるようにしています。

中空型の顎義歯については、「中空顎義歯」でネット検索すると作り方も出ています。

12月16日 大学病院を受診して、初診担当の先生方二人に、なぜここへ来たのかからひと通り説明してから、つぎに義歯担当の新患担当の三人目の先生に義歯についての希望を伝えた後で、口の中を診た先生がまず言われたのは「乾燥していますね」。乾燥を防ぐために夜寝るときも義歯を付けたままがよいのかどうかを伺ったところ、人それぞれの事情によるので何とも言えないとのことでした。
レントゲンを撮ってもらって、鼻への空洞に隣接する歯が抜けた原因について先生に聞いたところ、歯周病が原因とのことでした。口の中の他の箇所と比べても、歯が抜ける本数が多いので、放射線治療による影響もあるかとは思いますが、歯周病対策をこれからもしっかり続けます。
次回、1月27日になりますが大学病院を受診するときには、顎顔面補綴が専門で顎義歯を扱っている(おそらく主治医となる)先生(つまりこの大学病院では四人目の先生)に診てもらうことになりました。その際に型取りまでできるかもしれないとのことです。
そう言えば、25年前に別の大学病院の耳鼻咽喉科で治療を受けたときも、私の主治医となった先生は、その大学病院で診察を受けた四人目の先生でした。

2026年1月27日追記: 義歯を作るための型取りをしました。下顎、上顎の2つです。今回を含めて全部で5回の診療が必要になると言われました。遠方から通院するということで、通院にかかる時間を聞かれたので、1時間半と答えると、次回は14時半からの診察を予約してもらえました。昼食後、13時に家を出ることを考えてくださったものと思います。感謝。

2026年2月9日追記: 義歯を作るための2回目の型取りをしました。上顎と、バネの かかる方の歯の精密な型取りです。精密な型取りをするときに、この型の材料は歯に張り付いて、なかなか取れないと言われましたが、そのとおり、外すのが大変で、歯が全部型に張り付いて抜けてしまうのではないかと思うほどでした。
今回の型取りの思わぬ収穫としては、先生が頬の内側に指を入れたり、頬を引っ張ったりしたせいか、目の下の痛みが消えてしまいました。筋肉がほぐれたのか、神経の微妙な配置が元に戻ったのか、それは分かりませんが、結果的にはいたみがなくなりました。



2025/10/28

鼻水が片方からのみ出るので耳鼻咽喉科を受診

 2025年10月24日 半年ほど前から左の鼻からのみ鼻水が出て、起きている時には1時間に1回ほど鼻をかむこともあり、左のほお骨の出っ張りあたりに鈍い痛みと、たまにチクッとした痛みがあるので、上顎腫で手術する前に風邪でもないのに鼻水が出たことを思い出し、気になったので、近くの耳鼻咽喉科を受診しました。

口から内視鏡を入れて見てもらうと、鼻腔内にところどころ(2箇所)骨が出ていました。指先の大きさぐらいでしょうか。この骨の一部に黄色い粘液が付いたようなところがありました。目の下のチタンメッシュの端の方も一部表面に出ていました。内視鏡で見る限り腫瘍再発らしきものはないと言われました。喉の方も内視鏡で見て問題なし。

そこで、血液検査を行ってその結果がCTを撮る上で問題がなければ、CTを撮れる病院へ紹介してもらい、CT画像で、もし腫瘍などがあれば、元の手術をした医大へ紹介してもらうことになりました。


10月28日に血液検査の結果説明: 扁平上皮がんのマーカーであるSCCがやや高く2.7 > 正常値は1.2。クレアチニン値は高めだが正常。造影剤は可能。

医師から言われたことは: 骨が出ているところは義歯からは離れている。義歯が当たる部分ではない。粘膜が骨の上に伸びてくることはない。術後は骨が出ていなかったと推定されるが、骨が出たのはその後。しかし、それは最近の1ヶ月やそこらではない。骨の強さを見ると言って歯科医が指で空洞の内側を押したぐらいでは、粘膜がいたんで骨が出てくることはない。医師からは以上のように言われました。

内視鏡で骨を見てもらって、付いていた黄色い粘液を洗い流してもらったようです。その後水鼻が出なくなりました。実は、最初の受診日から食塩水で上顎の中を注意深く洗うようになってから、鼻水はほとんど出なくなってはいます。ほお骨の出っ張り付近のわずかな痛みはありますが。

10月30日に大きな病院でCT検査を受けてきます。


11月4日追記: CT検査の結果は、腫瘍、炎症もなく問題ないと、今日、医師から言われました。ホッとしました。不安で落ち着かない一週間でした。もっと早く結果を聞かせて欲しかったです。













2025/03/09

腺様嚢胞がんについてのWebサイト

上顎洞がんにも、私のような扁平上皮がんの他に、
腺様嚢胞がんがあります。
腺様嚢胞がんというのは、たとえば
国立がん研究センターの下記の記事に解説があります:

また扁平上皮がんについては同じく国立がん研究センターの記事が下記にあります:


腺様嚢胞がんと診断された方のネット上の体験談として、
・がんノートで腺様嚢胞がんを経験された方の
インタビューを見ることができます(テキスト、動画):
なお、検索条件を変えれば、他の部位の方の話も聞けます。

・Team ACCに体験談が40件以上寄せられています:

・5yearsにfurufuruさんがご自身の紹介と病状の経過を投稿されています:
https://5years.org/users/profile/521/

・FacebookなどSNSへ
ご自身の症状と闘病の様子について投稿されている方もいます。

いずれも読んでいてご当人の痛みや精神的な辛さを思うと
胸が塞がれるような内容です。
それらに比べれば、私のがんの体験などとるに足りないものです。
みなさん本当にたいへんな思いをされているのが伝わってきます。

同じがんを経験した人と繋がるのは大きな力になりますね。
先輩患者さんに直接会うことは難しくても、
こうしているよという事実を知るだけでも
励みになると思います。
みなさんも私も決して一人ではありません。

2025/02/15

開口訓練

前回は5yearsへ投稿したことを書きました。
今回は、5yearsの「リハビリ」の項目へ書いたことと
内容は同じですが、画像を追加して再掲します

手術後、口から食事できないので
鼻から胃へ通したチューブで栄養剤を流していました。
主治医からは手術の傷が治るまで
口をあまり動かさないようにと言われていました。
1週間もすると今度は口が開かなくなり
(リンゴの薄切りすら通すのがやっと)、
アイスキャンディーに使う薄板を通す練習から始めて、
少しずつ枚数を増やして、少し開けられるようになったら、
今度は、開口器という器具を使って口を押し開ける訓練をしました。
これは涙が出るほど苦しくて痛かったです。


マウスピースを口に入れて、上側のレバーを押して口を押し開けます。

支点に近い方に押したまま固定するストッパーがあります。

目盛もついていて、何ミリ開いたかが数値で読めるようになっています。

痛いからと言ってやらなければ口から食べられないし、
義歯を作るための型も取れないし、情けなくなりました。
退院後もこの開口器を使った訓練は続けましたが、
元のように口を開けられるまでには
1年以上かかったように記憶しています。

2025/02/04

「がん経験者コミュニティ5years」に登録

 私と同じ上顎洞がんを患う方々やその家族の方々に、
私がこうやって生きていることが少しでも
役に立ち、力になれれば、と思って、
認定NPO法人「日本最大級のがん経験者コミュニティ5years」
というグループに登録しました。

https://5years.org/main/menu/


私のことを以下のサイトに公開で載せています。

https://5years.org/users/profile/28548/updated


このコミュニティに、上顎洞がんで悩む方々が、

ご家族も含めて170人もおられることに少し驚きました。

もっと少ないのかなと思っていました。


皆さん本当に大変な思いをされているのがよく分かり、

私の方こそ力づけられました。

皆さんの1日も早いご快復を心からお祈りします。

応援しています。

一緒にがんばりましょう!


同じ病気で悩み苦しむ方々とつながれるのは、

私自身の支えにもなり、励みにもなりますので、

こういうコミュニティに参加できることは、

本当に有り難いことです。



(申し訳ありませんが、この5yearsに載せた自己紹介は、

このブログの「1.はじめまして」の自己紹介を転載したので

重複しています)

2025/02/03

おすすめしたい本

私が数年前までに読んだ数多くのがん関係の本の中で、

心に響いた本をあげておきます。

そのうちの5冊については、リストの後に、

私の読後感と、私が書いたAmazonへのレビューから転載したものを載せました。

やや出版年次が古いですがKindle版もあるはずです。

少しでもお役に立てれば幸いです。


がんになって心が折れ、落ち込んでいても、

外科医は心までは助けてくれません。

今のところは、こういった本で

心の持ち方を学ぶことも役に立つと思います。


-----     リスト -----

船戸崇史

『がんが消えていく生き方』

ユサブル 2020年10月


谷川啓史

『がんを告知されたら読む本―専門医が、がん患者にこれだけは言っておきたい”がん”の話』

プレジデント社 2015年9月


長尾和宏

『がんは人生を二度生きられる』

青春出版社 2016年4月


今渕恵子 

『がんでも長生き 心のメソッド』

マガジンハウス 2016年1月


保阪隆 

『がんでも、なぜか長生きする人の「心」の共通点』

朝日新聞出版 2016年12月


保坂隆

『がんになったらまず読む本 これだけ知っておけば、治療も生活も迷わない』

朝日新聞出版 2019年10月


-----   読後感 -----


船戸崇史

『がんが消えていく生き方』

ユサブル 2020年10月


がん患者や経験者が読むべき本として、私はこの本を第一に推薦したい。

がんなど他人事と考えていた著者が、実際に腎がんを経験して、それまでの考えを改めて書いた本。

自分に訪れることは自分が起こしたもので、それが返ってきているのだ、という著者の以前からの信念から、著者は次のように言う:「がんは自らの生活習慣を含めた生き方が作り出すものであり、結果として出てくるがんを、メスや放射線や抗がん剤で治しても、でてきた過程をそのままにしていたらまた出てくるのが当たり前」と。

そして、がんの治療法だけでなく、再発しないためには、どういう生活を心がけたらいいのかを具体的に示してくれる。

がん経験者でなくても、大いに参考になるはずだ。

私は今でも座右の書として、よく読み返している。


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以下はAmazonへ私が投稿したレビューを転載したものです。

——-


谷川啓史

『がんを告知されたら読む本―専門医が、がん患者にこれだけは言っておきたい”がん”の話』

プレジデント社 2015年9月


がんとは何か、なぜがんを患う人が増えたのか、

という素朴な疑問に答えるところから始まり、

免疫の基本、治療の基本、三大治療以外の治療、

治療で目指すべき目標、がん治療と心、

に至るまで、ほんとうに分かりやすく書いてあります。


本書には免疫についての記述が相当ありますが、

難しい専門用語が出てきません。

要は、免疫のメカニズムが理解できればよいのであって、

免疫を平易に書いてあるのは、ほんとうにありがたいことです。


本書の内容を知っているのと知らないのとでは、

がんに対処する上で、雲泥の差が生じると思います。

患者が知りたいこと、医師に聞きたいことを丁寧に書いてあり、

著者の真摯さが伝わってきます。


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長尾和宏

『がんは人生を二度生きられる』

青春出版社 2016年4月


著者が想定している読者は、

病院でがんを宣告されて落ち込んでいる人だそうです。


そういう人は、私の経験からいっても、おそらく「なんで私が」

「まさか自分が」と、繰り返し、繰り返し、否認したくなると思います。

また、「あのときこうしていれば」と自分を責めがちです。

私も、同じような心境でした。その後、長い年月をかけて、やっと

本書に書いてあることに納得できるようになりました。。

もうすこし早く、こういう本に出合っていれば、

心の切り替えをスムースにできたかもしれないと思います。


「なったことは変えられないから、倍返し、三倍返しの心意気で、

人生の二周目を生きてほしい」  私も著者に同感です。

がんを宣告された人の心の支えになる一冊としてお勧めします。


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今渕恵子 

『がんでも長生き 心のメソッド』

マガジンハウス 2016年1月


がん告知後に、否認と受容のあいだを行き来する心の動揺が

分かりやすく図示されていますが、まさに私自身がそうでした。

がんを受容できずに、うつになるのを防ぐには

どうすればよいかについて、数多くの対処法が書いてあります。


がんで一番怖いのは再発ですが、

本書では、がんの再発を心配することに対して、

「再発を徹底的に心配して、最悪のシナリオを検討してみる」

という認知療法の技法の使い方を、詳しく書いてあるので、

たいへん参考になりました。


また、「再発率25%」であっても、一人ひとりの患者にとっては

再発するか、しないか、のいずれかでしかないし、

死亡人数の推移をグラフ化した つりがね型分布の平均値が余命であって、

右側の生存年数の長いほうの裾野に入るよう、

免疫力を高めることを考えたほうがよい、との話は、

予測値でしかない「余命」というものに対する認識を、

根底から改めさせてくれました。


スピリチュアリティがある人は、がんになっても、

それをきっかけにして、その生き方がよい意味で変わることも、

きちんと記載してあり、内容の深い本だと思います。


本書が類書と異なり、がん患者を支える力になる理由は、

精神腫瘍科の医師、または患者が単独で書いたものではなく、

両者の組み合わせによる対談だからだと思います。


がん患者とその家族、そして将来がんになるかもしれない健康な人、

すべてに良書としてお勧めします。


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保阪隆 

『がんでも、なぜか長生きする人の「心」の共通点』

朝日新聞出版 2016年12月


本書は、がんと診断されたときに、がん患者自身がどのような

「心のありかた」を目指したらよいのかを、くわしく丁寧に教えてくれます。


病床で仰向けでも手に取りやすい、新書版より少し大きい版。

文字も大きく、小見出し自体が標語風になっていて、

それだけを拾い読みしても、内容の要点が理解できます。


たとえば、「がんになった『原因』をさがすのは意味がない、

むしろがんになった『意味』を考えましょう」

過去の生活は変えられませんが、これからの生活は変えられます。

また、本書にも書いてあるとおり、

今は、SNS を通じて多くのがん友とつながれる時代です。


私自身ががんを患ったのは、もう17年以上も前のことで、

入院先の大学病院には精神腫瘍科もなく、一人で悩む日々でした。

もし、もう一度がんで治療を受けることになったら、

本書を手元に置いて、繰り返し読みたいと思います。


(なお、この本には新版があるそうです:

保阪隆

がんになったらまず読む本 これだけ知っておけば、治療も生活も迷わない

2019年 朝日新聞出版)


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新しい顎義歯が出来ました

  2026年4月3日 隣県の大学病院歯科の顎顔面補綴専門の先生に作っていただいた顎義歯が出来あがりました。バネがきっちりしていて、口に入れてもらった後で自分で外す時に要領が分からず、いっぺんにバネを外そうとして上顎の歯全体がタガを締められたようになり、痛い思いをしました。一番奥...