私が数年前までに読んだ数多くのがん関係の本の中で、
心に響いた本をあげておきます。
そのうちの5冊については、リストの後に、
私の読後感と、私が書いたAmazonへのレビューから転載したものを載せました。
やや出版年次が古いですがKindle版もあるはずです。
少しでもお役に立てれば幸いです。
がんになって心が折れ、落ち込んでいても、
外科医は心までは助けてくれません。
今のところは、こういった本で
心の持ち方を学ぶことも役に立つと思います。
----- リスト -----
船戸崇史
『がんが消えていく生き方』
ユサブル 2020年10月
谷川啓史
『がんを告知されたら読む本―専門医が、がん患者にこれだけは言っておきたい”がん”の話』
プレジデント社 2015年9月
長尾和宏
『がんは人生を二度生きられる』
青春出版社 2016年4月
今渕恵子
『がんでも長生き 心のメソッド』
マガジンハウス 2016年1月
保阪隆
『がんでも、なぜか長生きする人の「心」の共通点』
朝日新聞出版 2016年12月
保坂隆
『がんになったらまず読む本 これだけ知っておけば、治療も生活も迷わない』
朝日新聞出版 2019年10月
----- 読後感 -----
船戸崇史
『がんが消えていく生き方』
ユサブル 2020年10月
がん患者や経験者が読むべき本として、私はこの本を第一に推薦したい。
がんなど他人事と考えていた著者が、実際に腎がんを経験して、それまでの考えを改めて書いた本。
自分に訪れることは自分が起こしたもので、それが返ってきているのだ、という著者の以前からの信念から、著者は次のように言う:「がんは自らの生活習慣を含めた生き方が作り出すものであり、結果として出てくるがんを、メスや放射線や抗がん剤で治しても、でてきた過程をそのままにしていたらまた出てくるのが当たり前」と。
そして、がんの治療法だけでなく、再発しないためには、どういう生活を心がけたらいいのかを具体的に示してくれる。
がん経験者でなくても、大いに参考になるはずだ。
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以下はAmazonへ私が投稿したレビューを転載したものです。
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谷川啓史
『がんを告知されたら読む本―専門医が、がん患者にこれだけは言っておきたい”がん”の話』
プレジデント社 2015年9月
がんとは何か、なぜがんを患う人が増えたのか、
という素朴な疑問に答えるところから始まり、
免疫の基本、治療の基本、三大治療以外の治療、
治療で目指すべき目標、がん治療と心、
に至るまで、ほんとうに分かりやすく書いてあります。
本書には免疫についての記述が相当ありますが、
難しい専門用語が出てきません。
要は、免疫のメカニズムが理解できればよいのであって、
免疫を平易に書いてあるのは、ほんとうにありがたいことです。
本書の内容を知っているのと知らないのとでは、
がんに対処する上で、雲泥の差が生じると思います。
患者が知りたいこと、医師に聞きたいことを丁寧に書いてあり、
著者の真摯さが伝わってきます。
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長尾和宏
『がんは人生を二度生きられる』
青春出版社 2016年4月
著者が想定している読者は、
病院でがんを宣告されて落ち込んでいる人だそうです。
そういう人は、私の経験からいっても、おそらく「なんで私が」
「まさか自分が」と、繰り返し、繰り返し、否認したくなると思います。
また、「あのときこうしていれば」と自分を責めがちです。
私も、同じような心境でした。その後、長い年月をかけて、やっと
本書に書いてあることに納得できるようになりました。。
もうすこし早く、こういう本に出合っていれば、
心の切り替えをスムースにできたかもしれないと思います。
「なったことは変えられないから、倍返し、三倍返しの心意気で、
人生の二周目を生きてほしい」 私も著者に同感です。
がんを宣告された人の心の支えになる一冊としてお勧めします。
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今渕恵子
『がんでも長生き 心のメソッド』
マガジンハウス 2016年1月
がん告知後に、否認と受容のあいだを行き来する心の動揺が
分かりやすく図示されていますが、まさに私自身がそうでした。
がんを受容できずに、うつになるのを防ぐには
どうすればよいかについて、数多くの対処法が書いてあります。
がんで一番怖いのは再発ですが、
本書では、がんの再発を心配することに対して、
「再発を徹底的に心配して、最悪のシナリオを検討してみる」
という認知療法の技法の使い方を、詳しく書いてあるので、
たいへん参考になりました。
また、「再発率25%」であっても、一人ひとりの患者にとっては
再発するか、しないか、のいずれかでしかないし、
死亡人数の推移をグラフ化した つりがね型分布の平均値が余命であって、
右側の生存年数の長いほうの裾野に入るよう、
免疫力を高めることを考えたほうがよい、との話は、
予測値でしかない「余命」というものに対する認識を、
根底から改めさせてくれました。
スピリチュアリティがある人は、がんになっても、
それをきっかけにして、その生き方がよい意味で変わることも、
きちんと記載してあり、内容の深い本だと思います。
本書が類書と異なり、がん患者を支える力になる理由は、
精神腫瘍科の医師、または患者が単独で書いたものではなく、
両者の組み合わせによる対談だからだと思います。
がん患者とその家族、そして将来がんになるかもしれない健康な人、
すべてに良書としてお勧めします。
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保阪隆
『がんでも、なぜか長生きする人の「心」の共通点』
朝日新聞出版 2016年12月
本書は、がんと診断されたときに、がん患者自身がどのような
「心のありかた」を目指したらよいのかを、くわしく丁寧に教えてくれます。
病床で仰向けでも手に取りやすい、新書版より少し大きい版。
文字も大きく、小見出し自体が標語風になっていて、
それだけを拾い読みしても、内容の要点が理解できます。
たとえば、「がんになった『原因』をさがすのは意味がない、
むしろがんになった『意味』を考えましょう」
過去の生活は変えられませんが、これからの生活は変えられます。
また、本書にも書いてあるとおり、
今は、SNS を通じて多くのがん友とつながれる時代です。
私自身ががんを患ったのは、もう17年以上も前のことで、
入院先の大学病院には精神腫瘍科もなく、一人で悩む日々でした。
もし、もう一度がんで治療を受けることになったら、
本書を手元に置いて、繰り返し読みたいと思います。
(なお、この本には新版があるそうです:
保阪隆
がんになったらまず読む本 これだけ知っておけば、治療も生活も迷わない
2019年 朝日新聞出版)
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